人間の脳ではいつも体内時計が働いていると考えられています。日中に動いて夜には休むという、活動と休息のリズムが体内にはもともと組み込まれているのです。夜型の生活を続けていると、睡眠のリズムが崩れ、体内時計が狂ってしまいます。そうすると、睡眠のリズムの影響を受ける女性ホルモンのバランスも崩れてしまうのです。質の良い睡眠を取るために、次のようなことに気を付けるとよいでしょう。
体内時計が睡眠モードになりはじめるのは普通夜9時頃と言われています。この時間を過ぎると照明の明るさを少し落としてみましょう。間接照明を上手に使ったり、ろうそくの明かりを使うのも良いでしょう。
睡眠リズムとメラトニン
人間は、朝日の光を目に受けてから、約14時間後に睡眠に関するホルモンの分泌が始まるというリズムを持っています。ですから睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌は夜9時を過ぎると増えはじめ、深夜0時頃から朝8時頃まで盛んに分泌されます。ところが、照明を明るくしたまま眠ると、このメラトニンの分泌が妨げられ、睡眠のリズムが崩れてしまいます。夜は部屋をなるべく暗めにし、寝る時は灯りを消すようにしましょう。
逆に朝は、良い目覚めのために部屋は明るいことが大切です。朝すっきりとした目覚めが得られない場合は自律神経の乱れが原因の1つになっているかもしれません。寝室で遮光カーテンを使っていると、メラトニンの分泌のスイッチになる朝の太陽の光を感じることが出来ず、自律神経が鍛えられません。遮光カーテンは使わず朝日を浴びて目覚めるようにしましょう。
また、スマートフォンやパソコンの青い光もメラトニンの分泌を妨げます。寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりしますから、寝る2時間前になったらパソコンなどの画面を見ないようにしましょう。
適度な運動でぐっすり眠る
質の良い睡眠を得るには日中の適度な運動も大切です。昼間に十分活動すると、脳にその情報が伝わり、夜は身体も脳も休もうとするので、ぐっすり眠れるという訳です。毎日がデスクワークという人は、帰宅時に一駅前で下車して歩くといった工夫をしてみるのも良いでしょう。
寝る前にゆっくりと湯船につかると身体が温められ、次に体温が下降するタイミングで自然な眠りに入ることができます。しかし、寝る直前の熱すぎるお湯は交感神経を興奮させ、かえって睡眠の妨げになるので気をつけましょう。帰宅が遅くなったときなどには、足湯がよいでしょう。寝る直前に食事をとることも胃の働きが活発になり、睡眠の妨げになります。 帰宅が遅くなるときには、夕方に軽い食事を取っておき、帰宅後は消化の良いスープやおかゆだけにするなどの工夫をしましょう。
就寝時間が遅くなった日でも、なるべく朝は決まった時間に起きて日光を浴びるようにして、睡眠のサイクルをもとに戻し、女性ホルモンのバランスを整えるようにしましょう。