女性の身体や肌には、女性ホルモンが大きく影響していることが、知られるようになりました。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンの作用をきちんと理解し、自分の身体にどんな働きをしているかを知り、体調管理に役立てましょう。
卵胞ホルモンのエストロゲンは思春期に適度な脂肪のある女性らしい身体をつくります。そして乳腺を発達させたり、卵胞を成熟させ子宮の内膜を厚くし、妊娠に備える働きをします。またこのホルモンは肌に潤いやハリを与えたり、肌を白くしたりします。そのほかにも、脳の血流を良くし、精神の安定を保つ働きや、様々な病気から身体を守る働きもしてくれます。
黄体ホルモンのプロゲステロンは、妊娠したときに妊娠を維持するのが主な役割です。肌への影響は皮脂分泌の増加やメラニン生産の活性化などがあげられます。またこのホルモンは体内に水分を溜める作用があるためむくみの原因になったり、胃腸の機能を低下させるため、むかつきや便秘の原因になることもあります。
この2つのホルモンは生理の周期で増減を繰り返します。体温が高くなる生理前2週間の高温期にはプロゲステロンが高くなり、生理期間後半から排卵までの低温期にはエストロゲンが高くなります。このため生理前は体がだるく、下痢や便秘になったり、頭痛や肩こりがひどくなったりすることがあります。またこの時期は肌の免疫機能も低下しているためニキビが出やすく傷も化膿しやすいので気をつけましょう。精神的にも不安定でイライラして気分が落ち込んだりする人が多いようです。そして低温期になるとエストロゲンの働きが高まるため自然に調子がよくなったりするわけです。女性の身体はこのように生理の周期による変化があることを理解し、それにあわせたケアを心がけることが大切です。
まず不規則な生活は女性ホルモンに限らず、すべてのホルモンバランスをく崩すので、良い睡眠をとるよう気をつけましょう。また冷えは女性ホルモンの分泌を妨げるので、腰回りや足首などをあたため、服装にも気をくばり、身体を冷やさない工夫をしましょう。お灸やツボ押し、アロマなども上手くとりいれるとよいでしょう。
高温期の肌は皮脂が増えるため石鹸できちんと洗顔し油分の少ない美容液で保湿するとよいでしょう。この期間は肌が敏感になるため、美白やシワ対策、脱毛や美顔器によるマッサージなどは控えましょう。また免疫も低下しているので、疲れを溜めないよう気をくばり、紫外線対策は普段よりもしっかりとしましょう。反対に低温期は肌の状態が安定しているので、ホームピーリングや美顔マッサージなど積極的にケアをして良い時期です。この時期もかわらず体調管理をきちんとしておくと、生理前の不安定な時期も症状があまりひどくならずに済むでしょう。
女性ホルモンのバランスが崩れることは、肌荒れの根本原因となってしまいます。普段の生活習慣を整え、ホルモンバランスの乱れがなるべく少なくなるよう心掛けることが大切です。