水と肌の関係

丸い手鏡で顔を見る女性

水分を多く摂取すると、汗がたくさん出て毛穴の掃除が出来るとか、身体の毒素が体外に排出され、肌が綺麗になるというような話がありますが、それは全くの間違いです。

半身浴などで汗をかいても、汗を出す汗腺と皮脂腺である毛穴は別の穴なので、毛穴の掃除には全くなりません。また汗を出すために水を多く取っても汗の量は増えません。尿量が増えるだけなのです。汗を出す事は美容上そんなにメリットはありませんが、汗を出したい人は水をたくさん飲んだりせず、しっかり運動をして汗をかくようにしましょう。

水はどんなに沢山飲んでも体に害はないと思いがちですが、尿から排出できる水分量にも限界があります。飲み過ぎた水は排出しきれず身体に溜まって、身体を冷やしたり、むくみの原因になったりしてしまいます。水分を摂りすぎると、胃液が薄まり吐き気や胃もたれの原因にもなりますから注意しましょう。

水分が適量摂取できているかどうかは尿の量や色で確かめることが出来ます。個人差がありますが。1回200ml以上の尿が1日に6回から8回くらい排出されていれば、適量の水分がきちんと摂取できていると言えます。尿の色が濃いときは脱水気味、薄ければ水分の摂りすぎだと考えましょう。その日の気温や運動量、食事の内容などにより発汗量は変化し、必要な水分量も違ってきます。人間には1日2リットルの水分が必要であるというような情報を意識しすぎず、喉が乾いたら水分をとるようにしましょう。

水分は人間の生命維持に重要なものですから、喉が渇くと本能的に激しく水が飲みたくなるようにできています。逆に喉の乾きを感じない時には、無理に水をのむ必要はありません。のどが渇いたら温かいものをゆっくり飲むようにしましょう。 エアコンなどで空気の乾燥した部屋にいるとき、口の渇きや肌の乾燥を感じて水を飲んでも、口や肌は潤いません。肌からの水分蒸発はセラミドなどによってコントロールされていますから、このコントロールがきちんとできていれば、乾燥した部屋にいても、肌の水分はきちんとキープされているのです。水を飲むことで肌の乾燥を潤すことはできないのです。

口が渇くときは,うがいをしましょう。口の渇きと喉の渇きはちがいます。水の飲み過ぎにならないよう気を付けましょう。また水分代謝と肌の代謝も混同してはいけません。シミが出来やすいのは肌の代謝が悪い事などが影響していますが、水を飲んで肌の代謝を促進しようと考えるのは間違です。肌の代謝はターンオーバーと言って表皮の細胞の生まれ変わりなので、この代謝が低下する原因は成長ホルモンの減少や、血行不良などで水分には全く関係がありません。直接肌の代謝を上げるにはピーリングが有効といわれています。

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